01-00900 宿院

宿院しゆくゐ


宿院しゆくゐ
六月晦日
住𠮷御旅所也

大寺の南壱町にあり
攝州せつしう住𠮷すみよし大明神の御旅所おたびしよ
はう二町のにして西には大鳥居ふとしく東北を名越岡なこしのをかといふ
こゝに二あり
北を檝取かんとり南を寳御前たからごぜんといふ
をかまへあけ鳥居とりゐあけ瑞籬みつかきあり
毎歳まいとし六月晦日つごもり荒和あらにこ御祓おはらひには神輿しんよこゝにみゆきありて禊祀けいししゆし給ふ也
壬二集
 みな月のけふのさかひにみそきしてちとせをのふる神の宮人 家  隆
六帖
 みな月のなこしの山の呼子鳥おほぬさにのみ聲の聞ゆる   讀人志らす
家集
 すみよしのなこしの岡の玉津イニ田をくり數ならぬ身は秋そかなしき 曾袮好忠
夫木
 しら露のなこしのをかのうらもみちかつ〱秋の色やそふらん  爲  家
千五百番
 六月みなつきのなこしのもりの夕すゝみみそきもまたぬ秋の下風    季  能
夫木
 みな月のなこしのもりの郭公こゑの加きりはこれにや有らん  資  隆
後京極殿説曰名越杜なこしのもり名所

 

今に見る宿院


宿院頓宮鳥居


宿院頓宮社殿


大道筋(紀州街道)宿院交差点の一対の大燈炉
「永代常夜燈、左海、たばこ、包丁鍛治」と刻まれています


東に向かって左側の大燈炉


東に向かって右側の大燈炉


宿院頓宮碑


「白夜の兎」群像

 

宿院頓宮は、住吉大神と大鳥井瀬大神をお祭りし、堺の鎮守の神として崇敬されています。
御鎮座については不明ですが、堺荘が中世まで住吉大社の神領であったことや、頓宮前の飯匙堀は住吉大神の潮干珠を埋めた所で、その形が飯匙に似ていることから名付けられたとの伝承もあり、古くより住吉大社との縁が深く、住吉行宮・御旅所とも称されています。
「堺鑑」に「此の地は住吉明神毎年6月晦日の御祓御旅所也」とあるように、この御祓まつりは今日では7月31日夜に大鳥大社から、8月1日には住吉大社から神輿を迎えて祭典を行っており、飯匙堀で摂津・河内・和泉三国の大祭として知られた有名な荒和大祓神事 が執り行われます。
また住吉大神は海路平安の神として、例大祭には全国の漁師達が神前に数々の鮮魚を献じて、その年の大漁や、航海の安全等を祈願し、併せて魚を大浜で販売した伝統の堺大魚夜市が7月31日に行われます。

【出典:堺市設置の宿院頓宮案内板】

 

アクセス