和泉郡
東は河州錦部郡及ひ紀刕伊都郡に至り西は海濵に際り南は泉南郡に至り北は大鳥郡に限る
葢和泉の國名こゝに出る前巻に見へたり
日本紀曰
欽明天皇十四年夏五月泉郡茅渟の海中に梵音あり
其震響雷聲の如し光彩晃曜こと日の光の如し
天皇これを異給ひて漕邉直を遣し見せしめ給へば海中より樟木の浮出て玲瓏たるをひきあげさせ帝に献る
即これを以て佛像二軀を作らしむ
𠮷野寺に光を放つ樟の像これ也
𠮷野寺といふは比蘓寺なり
かの寺の傳記には淡路嶌の海中より上るとあり
大和名所圖會に著す
葢和泉の國名こゝに出る前巻に見へたり
日本紀曰
欽明天皇十四年夏五月泉郡茅渟の海中に梵音あり
其震響雷聲の如し光彩晃曜こと日の光の如し
天皇これを異給ひて漕邉直を遣し見せしめ給へば海中より樟木の浮出て玲瓏たるをひきあげさせ帝に献る
即これを以て佛像二軀を作らしむ
𠮷野寺に光を放つ樟の像これ也
𠮷野寺といふは比蘓寺なり
かの寺の傳記には淡路嶌の海中より上るとあり
大和名所圖會に著す