03-03600 解氣井

解氣さめきの

坪井村にあり神武紀五十八年神日本磐余彦尊かみやまといわれひこのみこと皇師みいくさをして長髄彦ながすひこせいし給ふとき流矢ながれやあに五瀬命いつせのみこと肱脛ひぢはぎあたれり御手の血を洗ひ給ふゆへ血沼ちぬの海の名ありと古事記に見へたり
又此皇師みいくさの事日本紀に出たり又佛並村神主の説に云此時官軍くはんぐん横山彦是神主澤氏の遠祖とそ出迎ひ行宮かりみやを造り矢疵やきずを此名泉めいせんにて洗はせ給ふ
ゆへに解氣井さめきのゐと呼ならはしけり
今に於ても刃傷にんしやう打身うちみ諸瘡しよさうを此泉にてあらふ時は忽平癒へいゆすとなん
和泉志に讃岐さぬきの井とかきしはあやまりならんかし

つぼの井 太古邏たこもり

倶に同村にあり