03-06700 石寳殿

石寳殿いしのほうでん

蕎麦原そばら村より十町ばかり山上にあり牛瀧山より三十一町なり
土人こゝを葛城山かづらきやまといふ葛城は大和國也これより八町許東也
峯中記云當山蕎麦原そばらの宮は天神 八幡 八大金剛童子 佛僧瀧 行者の護摩所あり不動は行者の作也
下の道のつぢに石像の地藏あり奥に三重の滝あり又廿町ふもとに瀧あり石にぼん字をすなはち行者の筆跡也とそ
里諺りげん曰岸和田の城主國初の時此山に遊猟ゆうりやう白鹿はくろくる其時雷鳴らいめい震動しんどうして士卒大に恐れ山下にわし
其後城主より石室いとなみて葛城山かづらきやま一言主神ひとことぬしのかみを勧請すこれより土人葛城山或は石寳殿と口称くしやう