01-02300 鹽穴寺

鹽穴寺しはなじ

新在家町の東にあり
真言宗

本尊十一面観世音

みたけ五尺ばかり
和銅わどう年中元明帝のみことのりによつて當寺草創ありける
本尊は當津の海中より上らせ給ふ也
故に蠣殻かきから尊躰そんたいに多くあり
旧記紛失ふんしつ

㔟至塚せいしつか

古老曰此寺の近き側にあり
塩穴寺しはなてらの封境広大にして其旧趾也
むかしの本尊㔟至佛也
ある時此本尊修補しゆほするに又もとの如くそんじ給ふ
幾般いくたびもかくの如し
住侶ぢうりよ奇異きゐの思ひなす所にある夜菩薩枕上まくらかみに立てのたまふは
この海中に天竺の月蓋ぐはつかい長者の持念ぢねんせる観世音ありこれを取上われと對㘴たいざにすべしとあらた霊告れいこうありば
よる海濵かいひんに出て浦人うらびとと共にあみをおろすに光明くはうみやう赫々かく〱たる観世音の尊容そんようあがらせ給ふ
故に今兩尊をあがめ奉る也

 

今に見る鹽穴寺

 鹽穴寺は、新在家町の東方の寺町にありましたが、現在は行基菩薩開基の家原寺の寺域内に移っています。移ることになった経緯等については浅学の管理人では分りかねますので、引き続き調査します。

 

鹽穴寺本堂
 

宝篋印塔(?)
 

基礎部分に光明山 鹽穴寺と刻まれています。
 

アクセス