01-02400 少林寺

少林寺せうりんじ

少林寺町の東樽屋町にあり
禅宗 紫野大德寺黄梅院に属す

本尊阿弥陀佛

座像 壱尺余

開基桃源たうげん和尚

元德年中の建立也
いにしへは兆域てういく廣し今の寺地町少林寺町みな境内なり
中頃やうやく衰微すいびに及ぶといへども當兩町の地子を當寺に収む
台命たいめいによつて堺町中の地子免除せらるゝの時當寺領もこれを免す
小林といふもの檀越だんをつとして創建ゆへ小林せうりんと書しを達磨だるま大師だいし少林寺せうりんじひやうしてせうの字に改む

通心つうしん霊祠れいし


玄中記げんちうきには
百歳はくさいきつ子美女びぢよとなると見へたれどこれは白藏主はくざうすしておい猟人かりうど教化けうげ
狂言きやうげんをするにはさかい少林寺せうりんじ通心廟つうしんべうたけきりつゑにする事をならひとすとぞきこへし

祭神さいしん稲荷大明神俗に釣狐つりぎつ子の社といふ
永德年中に耕雲庵かううんあんといふ當寺の塔頭たつちうあり
其住侶を白藏主はくざうすといへり
この僧稲荷大明神を常に信仰しんかうし毎日法施はつせおこたらず
或時明神感應かんをうあつて竹林ちくりんより三そく白狐びやくこ出現しゆつげんせり
抱帰いだきかへりて養愛やうあい
きつねれいあつて隨仕ずいしようたつし又盗難とうなんさくる事あり
伯藏主はくざうすをいりやうこのむあり
かの白狐此ものおそ伯藏主はくざうすかたちばけて其をいの家に行
殺生せつしやうつみをさま〱かたいましめけるに
此おのこさときものにて狐の僧にばけたる事をしり
ひそかに道を出て其てだてをつくしりやうしけると也
これを狂言師大蔵おほくらといふ者工夫をめぐらし
野干やかんの所作を狂言に作り釣狐つりぎつ子又は吼噦こんくはいとも名づけたり
かのきつ子大蔵おほくらがこゝろをこめしをかん
又老僧と野干やかん骨髄こつずいはたらきをしへしとなり
それより此狂言を初をこなふ時は此寺に來
かの白狐びやくこすみ竹林ちくりん小篠をさゝきつつゑとなす事此狂言の故実こじつなる
享保十八年京師けいし吉田家よしだけより通心霊社つうしんれいしや神号しんがうあたへられしなり

 

今に見る萬年山少林寺


萬年山少林寺山門
 

庭園の蓮花
 

通心霊社
 

白藏主大明神
 

額「白藏主」
 

 

境内庭園

 萬年山少林寺は、元徳二年(1330)桃源宗悟の開山で、寺号は大檀越小林修理亮法の姓をとり小林寺としましたが、のちに菩提達磨の少林寺にならって少の字に改めました。当時、寺の境域は、今の寺地町・少林寺町を合せた両町の海浜にまで達していましたが、寺地の多くを織田信長に没収され次第に衰退しました。その後、豊臣秀吉が、石田三成・小西行長に命じて境内竹木の伐採を禁止したとありますから当時なお名刹であったことを伺いしることができます。本尊は釈迦牟尼仏、鎮守白蔵主稲荷明神、明治三十九年(1906)に禅通寺を合併、その鎮守今池弁財天をまつります。大徳寺派黄梅院末に属します。
 永徳元年(1381)塔頭耕雲庵の住持白蔵主が、鎮守稲荷明神に参籠して霊狐を得、狂言大蔵流の始祖霊狐の所作を狂言に作り、釣狐として上演されました。以後狂言歌舞伎関係者は釣狐上演の際は当寺に参詣し技芸の上達上演の成功を祈願し寺内の逆芽竹を1本祈祷してもらい持ち帰り、上演の時の杖に使用する慣習になっています。

【出典:堺市設置案内板】

 

少林寺 (堺市)

 少林寺(しょうりんじ)は、堺市堺区にある臨済宗大徳寺派黄梅院末に属する寺院。山号は萬年山。

歴史

 1330年に挑源宗悟が開山した。寺号は、開甚大檀越小林修理亮(小林上野守)の姓をとり「小林寺」としたが、のちに菩提達磨の少林寺にならって「少」の字に改めた。本尊は釈迦牟尼佛、鎮守白蔵主稲荷明神。1906年には禅通寺を合併した。その鎮守である今池弁財天をまつる。かつての寺の境域は、現在の寺地町・少林寺町を合わせ両町の海浜にまで達していたが、寺地の多くを織田信長に没収され次第に衰退していった。しかしその後も、豊臣秀吉が石田三成と小西行長に命じて境内竹木の伐採を禁止するなど、小さな寺ながら名刹の扱いを受けていた。

 1381年に塔頭耕雲庵の住持白蔵主が、鎮守稲荷明神に參籠して「霊狐」を得る。そして狂言大蔵流の始祖・霊狐の所作を狂言に作り、『釣狐』として上演した。それ以後、狂言や歌舞伎関係者は『釣狐』を上演する際は少林寺に參詣し、技芸の上達上演の成功を祈願。寺内の逆芽竹を1本祈祷してもらった上で持ち帰り、上演の時の杖に使用する慣習になっている。1733年京都の吉田家より通心霊社の神号を授与された。

所在地

堺市堺区少林寺町東3-1-18

交通アクセス

阪堺電気軌道阪堺線 寺地町停留場徒歩5分

【出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』少林寺(堺市)

 

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