祥雲寺
祥雲寺
宿院の東にあり
禅宗紫野大德寺に属す
佛殿聖観音
㘴像 長三尺許
左 達广大師
右 澤菴和尚
開基澤菴和尚
檀那は谷氏正安
寛永二年の草創
昭堂
開山沢庵の像を安置す
額は寂然塔と書す
近衛太閤基熙公筆
方丈
釋尊を安す
額澤菴筆
小方丈
卧龍窟の額
中華簟献籙の筆
鉤鼇橋
額は天倫和尚の筆也
鐘樓
額 惶世樓
天倫和尚の筆
庫裡
額 香積界
天祐和尚の筆
玄関
額 一玄
中華黄元震の筆
五葉松
方丈の東庭中にあり
枝葉左右に流れて六七間許高壱丈五尺
凉笠五蓋を風流に層たるが如し
蘓鉄
南の庭中にあり
初めは朝鮮國より將來となん
株の數二十餘ありて幅十間餘に漫り葉並こまやかにして蒼色深し兩樹ともに當境の竒観なり
當寺落成の日堺津の先刺史従五位下土佐守石河勝正使者を以て賀儀を述られ和哥一首を貽らる
おのさから露と玉しく庭の面さゞれ苔むすいはほかさねん 勝正
澤菴和尚和韻
詠出和歌敷嶌跡 吟聞新寺暮樓鐘
秋其三五夜中月 花又八重猶一重 澤菴
和哥のかへし
けふこそはおく露まてもひかりますことはの玉をみかきそへけれ 仝
今に見る祥雲寺
祥雲寺案内板
祥雲寺庭園
祥雲寺 (堺市)
祥雲寺(しょううんじ)は、大阪府堺市堺区に所在する臨済宗大徳寺派の寺院。山号は龍谷山。本尊は十一面観音菩薩。所有する絵画2件が国の重要文化財に、庭園が大阪府の名勝に指定されている。
歴史・概要
1625年 (寛永2年) 、堺の豪商・谷正安は、大坂夏の陣 (1615年) で焼失した海会寺の跡地に当寺を建築。1628年に沢庵宗彭を開山として迎え、当初は瑞泉寺と名乗った。その後祥雲庵、1639年に祥雲寺とした。江戸幕府3代将軍・徳川家光の頃より幕府巡見所の一つとなり、かつては五葉松が有名で「松の寺」と呼ばれたが、1945年 (昭和20年) の堺空襲で壮大な寺域を焼失した。2010年 (平成22年) 、谷から依頼された画家・俵屋宗達作の松島図屏風が当寺に寄贈された。当時の住吉付近の海岸を描写したものとされ、現在はワシントンD.C.にあるフリーア美術館が所蔵している。
文化財
重要文化財
以下2件はいずれも大阪市立美術館に寄託している。
・絹本著色 沢庵和尚像 - 1908年 (明治41年) 4月23日指定
・絹本著色 釈迦二声聞像 - 1910年4月20日指定
大阪府指定名勝
・庭園
方丈の南庭として造られた平庭式枯山水の庭園で面積212平方メートル。土塀寄りに石組を、手前に白砂を配置する江戸時代前期の様式で、京都・大徳寺と類似する点が多い。空襲で敷地全体が焼けてしまったが、石組を基に整備。1969年3月31日、大阪府から名勝に指定された。
現地情報
所在地
大阪府堺市堺区大町東4丁2-7
アクセス
阪堺電気軌道阪堺線宿院停留場から徒歩5分
南海高野線堺東駅から徒歩10分
周辺施設
山口家住宅 – 重要文化財
旧丹治商会 – 登録有形文化財
さかい利晶の杜
南宗寺, 海会寺
関連項目
近畿地方の重要文化財一覧
大阪府指定文化財一覧
日本の寺院一覧
祥雲寺
外部リンク
アクセス