04-02300 熊取莊

熊取莊くまとりのしやう

十二村あり其中の五門村ごもんむらといふに中左近なかさこん 大久保村に中左太夫といふ家あり
里諺りげんに云むかし寛治の頃法皇熊野御幸みゆきの時此家を行宮あんきうとなし給ふとそ
今に遺風ゐふうありて唐門からもんかたちなるものあり故に其頃より御門村ごもんむらと書しを恐れありとて後世こうせい五門ごもんと書かへしとそ
たゞ土人どじん口穪くしやうのみとして旧記きうき實録じつろくなし
此二は其地の村甲そんかうにして元和の頃東軍とうぐんぞくし大坂の一乱に勲㓛くんこうをなして三千石せんせきたま
根來ねごろ小左次こさじ支族しぞく根來ねごろ苗孫べうそんは今なを江戸にあり
もと熊取くまとり郷と申は桓武天皇延暦廿三年十月遊獵ゆうりやうし給ふ地なり
日本後記に見へたり