04-02500 𡈽丸城蹟

𡈽丸つちまるの城蹟しろあと

土丸村にあり貞和年中楠の類族築く所なり
明徳三年大内義弘内野合戦の勲㓛によつて和泉紀伊の两國をたま
氏清の兄山名修理太夫義理よしさと其身は紀伊國大野城に在て舎弟草山駿河守をして麻山をのやま險路けんろふさがしむ
そのうへ美作の軍卒七百を駿河守に附與して土丸つちまる 雨山あめやまの两城をかため新恩の使節をさへぎらしむ
義弘よしひろすでに大軍を以て两城をかこ
城内の江見ゑみ 廣戸ひろと 眞嶋ましま 菅家かんけ 有元ありもと黨等たちまち変して白晝はくちう退去たいきよ
殘黨ざんとうくつして防き戦ふ事をせずして將士千死を免れて紀州藤代ふぢしろの城に入