04-03700 御所村

御所村ごしよむら


信達したつ
御所ごしよ
長慶寺ちやうけいじ

信達したつ大苗代おのしろ 牧野まきのあひだにあり市場ともいふ
白河院 堀川院の天子熊野行幸みゆきの時こゝに御止宿ししゆくある故に御所ごしよといふ
後鳥羽院御幸記云 建仁元年十月七日信達の宿厩戸むまやとの御所ごしよに入給ふ萱葺かやふき三間の屋例の如し戌の時許めしありて御前に叅り和哥二首を奉る
  暁初雪
 いろ〱の木のはのうへにちりそめて雪はうつますしのゝめのみち 愚歌
  山路月
 袖のしものかけうちはらふみやま路もまたすへとをき夕月夜哉  希有
讀上よみあぐる人々詠吟ゑいきんしてすなは退出たいしゆつ
内府だいふ 宰相さいしやう 中將ちうしやう 大弐たいに 三 中將ちうしやう 下官げくはん 長房ながふさ 定通さだみち 道方みちかた 信綱のぶつな 家長いゑなが 清範きよのりとう
○此記は定家卿ていかきやう艸稿さうかう也 愚歌ぐかといふは定家卿みづからのたまふなり