御所村
信達
御所村
長慶寺
信達莊大苗代 牧野の間にあり市場ともいふ
白河院 堀川院の天子熊野行幸の時こゝに御止宿ある故に御所といふ
後鳥羽院御幸記云 建仁元年十月七日信達の宿厩戸御所に入給ふ萱葺三間の屋例の如し戌の時許召有て御前に叅り和哥二首を奉る
暁初雪
いろ〱の木のはのうへにちりそめて雪はうつますしのゝめのみち 愚歌
山路月
袖のしものかけうちはらふみやま路もまたすへとをき夕月夜哉 希有
讀上る人々詠吟して即ち退出す
内府 宰相 中將 大弐 三位 中將 下官 長房 定通 道方 信綱 家長 清範等也
○此記は定家卿の艸稿也 愚歌といふは定家卿自宣なり