04-04200 一乘山金熊寺

一乘山いちじようさん金熊寺きんいゆうじ


金熊寺きんゆうじ

信達莊したちのしやう金熊寺きんゆうじ村にあり
眞言宗 観音院と号す

金熊権現社きんゆうごんげんのやしろ

をかの上にあり
祭神さいしん 金峯きんぶ 熊野くまのあはまつる 例祭九月十六日
信達したち莊十三箇村の生土神うぢしんなり

疫神社ゑきしんのやしろ

本社の左にあり
あるいはく延喜式ゑんきしき畿内きないしよ疫神ゑきしんあり
和泉と紀伊とさかいに一座とは是なりとぞ

佛殿ぶつでん

本社の下壇の地にあり
本尊 如意輪観世音

役行者堂ゑんのぎやうじやだう

本堂の左にあり

藥師堂やくしだう

本堂の右の方にあり

地藏堂

藥師堂の前にあり

鐘堂つきかねだう

本堂の左にあり

弁財天べんざいてん

本社の左にあり

末社

山王 庚申 子安社

束草集當寺供養願文
泉州せんしう信達莊したちのしやう金熊寺きんゆうじ本尊ほんぞん如意輪観音によゐりんくはんをん役行者ゑんのぎやうじや霊夢れいむを感じて金銅こんどう六寸の尊像そんざう土中どちうたり
かるがゆへみづから四肘しちう木像もくざうつくかの聖容せいようをさめ當寺にあん
さいはひ正安しやうあん元年正月廿八日の火難くはなんまぬかれたり ひとみな也とす
然るにいま造営ざうゑい及び修補しゆほする所は本堂ほんだう 藥師堂やくしだう 鐘樓しゆろう 中門ちうもん 金銅こんどう三尺かゞみ 面に観音像あらは 两界りやうかい曼荼羅まんだらとう
當山たうざん鎭守ちんじゆしん行者ぎやうじや 金峯きんぶ 熊野くまの两神りやうじん勧請くはんじやうす 故に金熊寺きんゆうじがう
應長をうちやう二年三月廿八日敬白うやまつてまうす要文